Systematically Unsystematic

考えたことの置き場所

ある種の女性

ブラック的な会社のあとはベンチャーにいた。ネット業界のスタートアップで上市でイグジットな感じではなく、地味な業界のなかで上手く差別化する方策を定めて立ち上げた会社だった。

そのはずが、社長に妙な神通力がつき予定外に会社は急成長し、その反動なのか元々見栄っ張りの気の強かった社長は躁鬱と人間不信を患い、色々な人がやってきては社長と衝突したり失望されてりして去っていった。

在籍期間はともあれ誠実に仕事をしていた人は多少の爪痕を残していたが、時折何もなくただ消えるという人がいて、だいたいは過去にどこかの偉い人の秘書とかアシスタント的な業務をやっていた、オッサンの扱いには長けている元美人。

偉い人の仕事を側で見て疑似体験しているものの、組織を、人を動かすための基礎的な要件は備わっていない。甘やかされたせいなのか自分の仕事のアウトプットを省みる習慣もない。耳年増な正論とどこぞの誰かのエピソードを振り回してあれやこれやと人に要求はするが、スープを飲むのにフォークを振りわましているようなもので、何も起きようがない。

そういう人が自分の在籍期間中4-5人はいた。オッサンの扱いになれているので「彼女に協力してあげてよ」というコメントは引き出せるし、それもあってはじめは何となく協力していた人たちも、おかしさに気付いてくる。

時間が経つにつれて周囲は面従腹背になり最後の仕上げの部分で手を抜き始める。それに気がついて自分で仕事を完成させたり指摘できるなら良いが、その能力はない。みすぼらしい地金が出る瞬間がやってくる。

この手の女性がメディアを賑わすことが多いが、雰囲気ですぐにそれとわかるようになっているのは、良いのか悪いのか。自分がオッサンになったときに見分けられる感覚はもっていたい。