Systematically Unsystematic

考えたことの置き場所

怪我の効能

太らないようにとランニングを始めて10年ほどになる。東京マラソンに当選してしまったときは練習もこなして42.195キロを完走してもいるが、当選しない限りは10キロ走るぐらいがせいぜいのレベルである。

その割には故障が多い。最後にフルに出たのは6年前で、もっとタイムを縮めたいと思いながら仕事が忙しくなったり家庭の事情が許さず、宿題を済ませないままでいる気持ち悪さから短期間で自分を追い込むトレーニングを行っては故障を起こしてというのを繰り返してきた。

正しく追い込んでいるわけではなく、たんに無茶をしているだけだったと思う。元々それほど頑丈な身体ではない。過去にあちこちの靭帯を切ったり伸ばしたりしたせいで左右のバランスが悪く、疲れが溜まるとすぐに腰や背中などに影響が出る。頚椎捻挫に至ったこともある。

今年は身体の裏側の筋肉を鍛えようと思っていたところ、蓄積した疲労が股関節の痛みとして顔を出してきた。

マッサージにいってほぐしてもらい、揉み返しがきたら馴染ませるために軽めに運動してくださいと言われた通りに軽めにジョギングをしていると色々な人に追い抜かれる。追い抜けそうな人にも追いつけない。痛いのだから仕方ないと思ってそのまま続けていると、別にこれでいいじゃないかと思えてきた。

毒気が抜けたというか、誰に頼まれたわけでもないのにやたらと速く長く走ろうとしていたことに気づいた。

気楽にやればいいのに、習慣より強く根っこを張っていた妙なこだわり、偏執に気付かず、同じ行動を繰り返してしまっていた。分かっているつもりでも、なかなか自分で自分のことは気づかない。